ベトナムの経済
ベトナムの経済動向(1/2)
1. 経済成長率( GDP )
市場経済への転換後、ベトナム経済は、 6-8% もの高い成長率で発展しつつである。ベトナム経済は 2007 年下半期から 2008 年上半期にかけて経済が加熱し、急激なインフレに直面していた。 2008 年に入り、ベトナム政府は高騰した物価抑制を第一優先課題と位置づけ、 同 年の経済成長率目標を 8.5 ‐ 9 %から 7 %に下方修正し、各種のインフレ抑制策を講じた。その結果、 2008 年の名目 GDP 成長率は 6.23 %に留まり、 2007 年の 8.38 %に比べ低い水準となったが、世界不況の影響を受けている状況を考慮すれば、かなり高い数字だと言える。
ベトナム統計総局( GSO )は 、 ベトナムの 2008 年の名目国内総生産( GDP )が 1,487 兆ドン(約 7 兆 9,000 億円)、一人当たり GDP が約 1,700 万ドンに達したと発表した。昨年の米ドル為替レート(平均)を 1 米ドル当たり 16,700 ドンとすると、米ドル換算の一人当たり GDP は 1,024 米ドル(約 95,000 円)となり、 1,000 米ドルを初めて超えた。ただし、インフレなどの影響を除くと、実質的な一人当たり GDP は約 900 米ドル(約 84,000 円)になるという。
2009 年については、ベトナム政府は、経済成長率の目標を 6.5 %としている、一方世界銀行と国際通貨基金( IMF )は 2009 年の GDP 成長率はそれぞれ 6.5 、 5 %と推測している。
2. 消費者物価指数( CPI )
2007 年以来、ベトナムは CPI 上昇率を実質 GDP の 成長率以下に抑制することを目標としてきたが、 2008 年に前者は対前年比 22.97 %増まで上昇、後者の対前年比 6.23 %増を上回るに至った。
ベトナム政府は 2009 年に CPI 上昇率を 15 %以下に抑制することを目標しているが、実質 GDP 成長率は 6.5 %台に設定している。
3. 為替
2008 年においては、ベトナム政府は従前の穏やかなドン安誘導を取り止め、市場原理を踏まえた為替政策に転換したため、米ドル安も影響しドン高傾向で推移した。しかし、 2008 年 3 月下旬に極度に芝しくなった市場流動性に対応するため、ベトナムの中央銀行にあたるベトナム国家中央銀行( SBV )がドンの提供を再開すると、一転してドン安傾向に推移し始めた。これに貿易赤字の拡大などによるドル不足等が加わって、闇市場におけるドン安が急激に進行した。政府は柔軟な為替政策を実施するために、為替取引幅(市中銀行が為替の取引に際して値付けすることができる公定レートからの乖離幅)を 3 回変更し、 3 月に ±0.75 %から ±1.0 %へ、 6 月に ±2.0 %へ、 11 月に ±3 %に拡大した。さらに 2009 年 3 月に入って取引幅は± 5 %に拡大した。
4. 政策金利
ベトナム国家中央銀行( SBV )は 2008 年において、高騰していたインフレの抑制策として 6 月まで 4 度に渡る利上げを行い、基準金利(ベースレート)を最高 14 %まで引き揚げた。その後、インフレが落ち着きを見せると、輸出促進、景気刺激のために 5 度の利下げを実施した。 2009 年 3 月現在、基準金利は 7 %となっている。