ベトナムの投資環境
法人所得税
2009 年 1 月 1 日より施行されるベトナムの改正法人税法は 2008 年 6 月 3 日に国会を通過した。これは 2003 年 6 月 17 日に発布された旧法人税法に換えて、今後の経済発展を支える基盤となることが期待されている。
(標準課税)
標準税率は 2003 年までは、外国投資法の適用を受ける企業の場合 25% 、国内企業の場合は 35% であったが、 2004 年 1 月以降、外資系企業 ( 合弁企業、 100% 外資系企業の他事業協力契約に基づく外国側当事者を含む ) と国内企業の税率 ( それぞれ 25% 、 32%) が別扱いであったものを一本化 (28% に統一 ) された。その後、 2009 年 1 月に施行される改正法人税では、税率は現行の 28 %から 3 %引き下げ 25 %となった。
▼旧法人税法対改正法人税法の対比
法人税率 |
旧法人税法 |
改正法人税法 ( 2009.1.1 施行) |
|---|---|---|
標準税率 |
28% |
25% |
優遇税率 |
10% 、 15% 、 20% |
10% 、 20% |
石油・ガス・その他の稀少資源の開発業者における法人税率 |
28% ~ 50% |
32% ~ 50% |
(優遇措置)
従来外国投資法で規定されていた法人所得税の優遇措置は、改正法人所得税で規定されることとなった。奨励投資分野あるいは奨励投資地域への投資に関しては、その度合に応じて、一定期間に優遇税率が適用される。奨励投資分野や奨励投資地域については、共通投資法及び同法施行細則に規定されている。
2009 年 1 月以降、優遇税率は、旧法人所得税法に規定された税率の 10% 、 15% 、 20% から 10% と 20% に変更となった。また、優遇税率適用期間は 15 年、 12 年、 10 年から 15 年と 10 年となった。
同優遇規定は基本的に利益が出た年からの免税措置(免税期間+半減税期間)が、投資法また税法の施行細則に規定されている投資分野または投資地域により、与えられる。
▼新規投資企業の法人税の優遇措置
法人税の優遇税率 |
分類 |
適用期間 (課税所得発生後) |
免税期間 (課税所得発生後)(注 1 ) |
50 %減税期間 (免税期間終了後) |
|---|---|---|---|---|
20 % |
奨励された投資分野に投資する企業(注 2 ) |
10 年 |
2 年 |
4 年 |
社会経済的に困難な地域、経済地区、ハテック・パークに投資する企業 |
10 年 |
2 年 |
4 年 |
|
10 % |
特に奨励された投資分野に投資する企業 |
15 年 |
4 年 |
9 年 |
特に社会経済的に困難な地域、経済地区、ハイテク・パークに投資する企業 |
15 年 |
4 年 |
9 年 |
注 1 :企業は最初の 3 年間に課税所得が生じず、 4 年目から課税所得が発生した場合、免税期間は営業開始から 4 年目となる。
注 2 :奨励された投資分野の一部は改正法人所得税に規定されている。例えば、ハイテク技術におけるプロジェクト、科学研究及び技術開発プロジェクト、重要なインフラの建設・開発プロジェクト、ソフトウェア開発プロジェクトなどである。尚、上記各優遇税制適用期間終了後は、 25 %の標準税率が適用となる。
(課税所得の計算)
課税額計算の基礎となる課税所得は、監査済財務諸表の税引前利益を基礎とし、損金不算入項目などの税務上の調整項目を加減し算定される。
ベトナムの法人税法上の損金に関する規定は日本のそれと違い、損金算入項目に対して規定する形を取っているが、税務上の調整項目(税務上の扱いと会計上の扱いの差)につき、規定が曖昧であるために税務当局との解釈の違いが生じるケースが多い。また規定が未整備な部分に関しては個別に税務当局への確認を要するため、税額の確定に時間を要するケースも多々見受けられる。
(益金)
事業所得の他、利子所得、資産の譲渡所得、ベトナム外国源泉所得なども含まれる。
(繰越欠損金)
会社は、業務上発生した欠損金を後続する 5 年間に渡って繰り延べることができる。欠損金の繰り戻しはできない。