ベトナム進出日系企業

    ベトナム進出日系企業 - インタビュー

    ベトナム初の日系証券会社、サクラ証券横山社長に聞く
    2009年8月3日
    2009年7月、ベトナム初の日系証券会社、サクラ証券が誕生しました。下記、サクラ証券の横山社長に、同社設立の経緯と戦略について聞いてみました。


    Q1.
    日系証券会社のベトナム進出では、大和証券グループ本社によるサイゴン証券への出資に次いで2件目で、新規に設立したケース(実際は、設立事後に株式を譲渡した)としては、初になりますが、その狙いは何でしょうか?

    横山氏
    単なる出資ではなく自前でべトナムの証券会社の経営をするということになり、当然社長は日本人ということで私が任命されたわけです。ベトナムの証券会社の社長になるために、難解な国家試験にパスし、SSC(国家証券委員会;日本の金融庁に相当)の認可を申請から3ヶ月もかけて取得しました。出資=役員派遣とはわけが違います。
    現地にコミットメントし、地に足をつけた経営を誰よりも早く構築することが、投資家の方々の利益やベトナム資本市場への貢献、そしてわれわれの企業価値を高めてゆくものと思っています。

    Q2. 
    ベトナムのパートナーのビグラセラグループは、建設資材メーカーだと伺っておりますが、同社の詳細と共同事業を行うに至った経緯について教えていただけますか?

    横山氏
    Viglacera Corporationはベトナムの建築資材の製造及び住団地・工業団地の建築や不動産経営業界における一流の国営企業です。Viglaceraは1974年に設立され、ガラス・セラミックタイル等の建築資材の製造・販売・輸出を主とした企業からインフラ及び不動産の建築・経営へ多角化しました。現在Viglaceraの直轄子会社は30社あり、総従業員は18,000人です。
    彼らの多角化経営の一つに証券会社の設立がありました。彼らのノウハウでは証券会社の経営は不透明であり、外国資本との提携および提携先に経営を任せるといった方針になっていました。2007年度の話です。
    当時、邱永漢氏、藍澤証券、日本アジアグループは、ベトナムの成長性に着目し投資の機会や証券会社の買収なども視野に入れていましたが、この一流の現地パートナーと組むことで思惑が一致したのです。2007年末~2008年4月に幾多の協議を得たうえで、事業はスタートしました。

    Q3.
    邱永漢氏も事業パートナーですが、その経緯と永漢氏の役割についても教えてください。

    横山氏
    邱氏は、以前からベトナムの成長性に期待し自身のウェッブサイトでも、ベトナム投資を積極的に勧めてきました。しかしながら、いざ投資をしようにもまともな証券会社がないという判断をしていました。安心してベトナム投資ができるように、日本人が経営するベトナムの証券会社を熱望されたわけです。

    Q4.
    日本アジア証券、同じく株主である藍澤證券は、ベトナムの個別株式の取扱いを始められる予定ですが、さくら証券経由での取り扱いとなると思いますが、どのくらいの期間でどれくらいの口座数(もしくは、サクラ証券としての取扱い金額)を見込んでいらっしゃいますか?

    横山氏
    サクラ証券自身の営業は6月下旬から7月初旬にかけて段階的にスタートしていく予定です。当然、サクラ証券としては、藍澤証券、日本アジア証券からの取次注文を期待していますが、各社のベトナム株式の取り組みについてはそれぞれの日程や考え方がありますので、私の方からお話できるものではないと思います。

    Q5.
    ベトナムの証券市場は、金融危機以降早くも立ち上がりの兆候を見せておりますが、証券市場はまだまだ未成熟で、規模も小さく、その小さい市場に100社といわれる証券会社が活動しておりますが、ベトナム国内の証券会社と競合する上で、御社の戦略についてお聞かせください。

    横山氏
    サクラ証券がSSCから正式認可を受けた番号が103で、VSD(ベトナムの保管振替機構)の番号が101です。おっしゃるように数としては100社近くあります。同時に、サクラ証券の正式認可以降の証券会社の認可は聞いたことがなく、当面は私たちが最後の認可証券会社と思っています。これからは、淘汰されてゆくことになります。
    2006年~2007年前半のベトナム市場のブーミングは、各証券会社に自己投資や不動産投資などに走らせました。財務内容は非常に悪くなっているのが実情です。顧客資産だって本当にあるか心配すべきと思います。政府は資本金の増強や、外資との提携、M&Aを進めていますが、おそらく、30~40社程度になっていくことでしょう。
    われわれは証券会社の本業をきっちり行っていきます。執行、精算、保管機能の質を高め、顧客に安心して投資していただける環境を作ること、さらに、独自の情報収集と提供が行えるようにすることです。

    Q6.
    また日本国内においても、ベトナムの現地証券会社と提携することで、岩井証券、キャピタルパートナーズ証券、ニュース証券などがベトナム株の取扱いを始めておりますが、さくら証券がグループにあることで、藍澤証券や日本アジア証券が競争上優位になる点はございますか?

    横山氏
    それらの証券会社との優位性は、特にないと思います。日本国内の証券会社の優位性は各々の証券会社自身の顧客対応によるからです。サクラ証券は各証券会社の欲する情報提供やサービスに万全を期しますが、巨大資本を背景とした現地証券会社よりもすぐれているものを探すのは容易ではありませんね。ただし、現場にいる日本人の目でみた真実を選別、発信できることが優位性と思います。現場にいる利でしょうか?
    ベトナム人は全面的に信用できるまでは、時間がいるかもしれません(笑)。

    Q7.今年2月にホーチミン証券市場は現地のいくつかの証券会社のシステムと直結しましたが、御社の発注システムも、市場と直接つながっていらっしゃるのでしょうか?つまり本来のオンライントレーディングが可能なインフラはすでにお持ちですか?

    横山氏
    オンライントレードが可能なインフラは整備されています。営業開始と同時に段階的に直結対応してゆく予定です。

    Q8. ブローカレッジ業務以外の証券業務の取り組みについては、現時点で何か考えていらっしゃいますか?

    横山氏
    弊社の営業ライセンスは、取次業務とアドバイザリー業務です。営業開始と同時に上場、未上場法人を積極的に訪問していきます。ベトナムではB/S等の数字だけではあてになりません。優秀な経営者を発掘して行きたいと思います。その情報をストックすることで、アドバイザリー業務として、資本提携やM&Aなどを、日本側資本の豊富な企業ネットワークと連携して模索していきたいと思います。将来の引受業務の資源ともなります。
    情報提供元:ビナファイナンス編集部

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